2023年1月25日　日経朝刊
金融庁が信託新制度を創設する。不動産を持たないスタートアップ企業を支援するのが狙いだ。
不動産担保に依存した融資から、技術力やアイデアを持つ企業なら「事業成長性」が担保となって銀行融資が受けられるようになる。「事業成長担保権」と呼ぶ新担保制度が数年内に実現する見込。
果たして、この事業成長担保権は浸透するだろうか。金融機関の目利きの腕が試されるだろう。事業の成長性をどうやって算定するのか。決算書や事業計画書などの定量的なデータだけでなく、経営者の属性や熱意、組織力など定性的な情報も含めて見積もる必要があろう。
そう言えば、令和2年、事業承継時に一定の要件の下で経営者保証を不要とする新たな信用保証制度を創設された。スタートアップから事業承継まで一貫して支援するためには物的財産以外の適切な価値算定が欠かせない。
金融機関だけでなく経営コンサルタントの腕の見せ所はここにもありそうだ。